Fisheye Lenses Syndrome :

昔の広告で「おサカナになってしまった、ワ・タ・シ」とかいうのがあったけど、安部公房（正しい？）ばりのシュールなブルトンだぬきの世界に少なくとも視覚は引き込んでくれる、魔法のレンズ。他の写真用レンズで最も忌み嫌われる歪曲を活かしたゲロゲロなレンズ群。

まあ、「おサカナになってしまった、ワ・タ・シ」とおっしゃるご本人と本物のおさかなさん達には世の中がこーいうふーに見えるらしい。仲間の全周魚眼は天体観測等のアカデミックな用途があるのに対して、その強烈な歪曲と極端なパースぺクティヴという個性から「一回使うと飽きてしまう。」とかあまり評判が宜しくない変わりに、「ココゾ」の使い方で、圧倒的世界を現出する。

後列左から、Fisheye-Elmarit-R 16mm/f2.8（1A, Y48, O56, 80B を内蔵）, Canon New FD Fish-eye 15mm/f2.8 (sky, Y3, O1, R1 を内蔵）

中列左から、SMC Pentax-F Fish-eye Zoom 17-28mm/f3.5-4.5, NIkon Ai Fisheye -Nikkor 16mm/f2.8S（後群の更に後ろにフィルターネジ込み）, Contax F-Distagon T* 16mm/f2.8 (UV, O57, Y50, B11 を内蔵）

前列左から、MC-Zenitar-K 16mm/f2.8 (K-mount、後群の更に後ろにフィルターネジ込み), Olympus Zuiko Auto-Fisheye 16mm/f3.5 (Neutral, Y48(Y2), O56(O2) を内蔵）

それにしても、並べると異様なムードが漂う。しかし、のぞき込んだレンズの奥底に見えるものが案外、物事の真実なのかもしれない。（絞りが見えた！というのは、具象に捕らわれる精神の現れで、まだまだ修業が足りない。従って一日一回、椎名林檎でも聞きながらのぞき込む必要がある。）

また、別の傾向として、じっとこれらのレンズを眺めていると思わず「なめたい！」と思うこともあるが、これは正常である。(^^;ゞ

これらレンズだけで、３６枚撮り１本を撮り終えると、その日、一日中、ぼんやりしてしまうことがある。