その存在は早くから知っていても何の因縁か全く接触せずに終わってしまう関わりあいというものがそれなりに長く生きてくるとあるものだが、レンズで言えばこのレンズ。数多あるＲライカ用１８０ミリレンズの中で最後まで買わずにいえ、買ってしまっても「未だに」持ってない感覚が浮遊する不思議な感覚が残るレンズ。とは、まことに個人的な事であるが、最初の１８０ミリは先太の Elmarit-R 180mm/f2.8 を絶対に買おうとココロに固く決めていて、その内、Apo-Elmarit-R 180mm/f2.8 だの Angenieux まで登場したりしたものだから簡単に言えば買いそびれてしまっていたというのが正確かもしれない。

元々、軍用として開発されたレンズで、最短も２．５メートル。確かに Apo かもしれないが、あまり興味をそそられないそのスペック特に近接での描写能力に疑問を呈した評価をみるにつけおそらく購入はしないであろうと思ったその刹那銀座の某店の委託品で格安品を見つけてしまった。こういう思いは？と記憶にあるのは失恋し、こんなに苦しいモノならばもう恋はしまいと誓った翌日にラブレター（ふ、古い）を貰ったようなそういった感じかなぁ？

私が自信をもって言えるのは、Ｒレンズの場合欲しくないレンズでも触ったりボディに着けたりするとその質感に参ってしまうという強力な引力があるので、また悪い女性（男性）に引っ掛かった位のノリぢゃないともうこちらがもたない。

ということで、無事？に手許にやってきたのがこのレンズ。

描写は完璧で、文句は無い。