「カメラは人間が使うもの」とライカ社が公言し、それまでの電気シャッター系列つまりＲ３〜Ｒ５とは別に突如として機械式シャッターのＲ６を発表したのが１９８８年、その機能の中で、シャッターの最高速を１／２０００秒まで引き上げたのが本機Ｒ６．２である。実際、Ｒ６の時点で、１／２０００秒シャッターの搭載を検討したが、速度が不安定であった為、シャッター・ユニットの更なる軽量化及びシャッター羽根の改善によって安定した１／２０００秒が搭載可能になったとしている。

Ｒ７が製造中止となった後も、Ｒ８と併売されているが（２０００年１２月現在）、Ｍ型ライカ・ファンにも違和感なく使えるマニュアル機で、Ｒ８は「どうも」という層には受けているようだ。

一般にはあまり評価されないが、機械式シャッターで、ストロボＴＴＬが利くというのは本機の隠れた魅力で、いかにも機械式というシャッター音も使っていて安心以上の「何か」がある。

電気シャッターが、不安定であるというのは、もうアナクロ以外の何物でもないが、確かに電池が無くても作動するという安心感はＲファンにとっての保険のようなものかもしれない。

その他の機能もミラーアップ、視度補正、アイピース・シャッターと至れり尽くせりである。

マニュアル機に露出補正機能が必要かどうかは別として、Ｒ７とよく似た操作部である。実際は「Ｒ７がＲ６に似た操作部を持つ。」というのが正しいが、まあそれは置いといて、マニュアル・オンリーであるから、複雑な仕組みや操作は一切無い。唯一、操作する必要があるのは、測光モードの切換位であろうか。OFF ポジションで、電源 オフとなり、○位置でスポット測光、□位置で全面平均測光となる。ストロボは SCA300 規格のストロボを用いれば、ストロボＴＴＬ が可能となる。フィルム感度表示ロックボタンは、バッテリー・チェックを兼用しており、電池容量が十分にある場合は、押すとその前方（写真では上）の赤い LED が点灯する。

奇しくも M6TTL の操作性に酷似することになったが、M6TTLファンで、Ｒも、、とお考えの方には最もストレスなく使える一台である。

生意気を言えば、「これでＭ型もようやくＲに近づいて来た！」とか思ってしまう。(^^;ゞ

シンプルなファインダー内表示で、直読式の絞り値表示と測光モード更に、測光値表示、ストロボ発光とストロボ適性発光の確認表示（写真では現れていないが、ファインダー下部左端にカミナリ・マーク。）のみである。露出補正を行っている場合には、測光モード表示が点滅する。

直読式絞り値表示は、外部スィッチによって照明が可能。測光値表示は、▽○▽の表示である。M6TTL よりもっと親切だと思うのは、▽の中に、−と＋の表示が入っている。測光モード表示は○がスポット測光、□が全面平均測光である。

同様のスペックの他社機の数倍もする価格であるが、それを無駄と執るか、「よくぞここまで、、、」と執るか、、、難しいところであるが、筆者は当然後者である。