ペンタックスＭＸとほぼ同時期に発売された本機は、ニコンＥＭ同様、絞り優先ＡＥ専用機である。従って、シャッターダイアルは無く、シャッターボタンと同軸上のダイアルには、Ｌ（ロック）、Ａｕｔｏ、１００Ｘ（ストロボ用１／１００秒）、Ｂ（バルブ）しか存在しない。割り切りとしては素晴らしいが、流石にマニュアルもというユーザーの声に応えたのであろうが後継機種のＭＥスーパーでは、押しボタン２個によるシャッタースピードの設定が可能な機能が付加された。ただ、ニコンＥＭ同様、多機能化を推し進めれば進めるほど、その多機能故の未消化部分が増え、結局何もないほうが、つまりシンプルな方がいいという、我々、人間社会の問題と同じようなサイクルを辿ることとなる。

ちょっと「ざらつく」マット面を見ながらクリック感の強いシャッターボタンを押す時には、これはこれでいいんじゃないか？と思ってしまう。

カメラを触る時間が長ければ長いほど、人は余計な事を考えてしまうのかもしれない。

私は、ＭＥスーパーよりもこのＭＥの方が好きだが、その理由は単純で、ＭＥスーパーにはペンタ部のＰＥＮＴＡＸの文字の上に、ＡＳＡＨＩと陰刻のされた「印」が無いからである。