西暦２０００年の桜である。世田谷の呑川（のみがわ）沿いにある銭湯「栗の湯」、郷愁を誘うような風景である。描写のヌケが良く、すっきりした印象の描写である。ほんのりピンク色の桜の花弁、青い空、銭湯、日本の風景である。

トーン描出の目安として、滑らかな金属の質感描写を見るというのが定石であるが、このアルミ色の案内塔（？）の描写を見る限り、きれいに描写している。若干色が浅めであるが、１段近く絞り込めば、濃厚な色乗りを楽しむことができる。

ボケ味は、ちょっと「もたつく」感じである。ピント面のシャープネスも十分で、明るいことから常用レンズとして重宝する。クリアーというよりは、解像面のシャープさを楽しむレンズであろう。

金属の描写も優秀である。キヤノンの伝統か、すっきりしている。コクという観点からは不足しているとも言える。